ふるさと納税は、地方出身者が生まれ育った土地に恩返しをするためであったり、災害にあった地域を応援するといった地方を応援しようという理念のもとにできた制度です。
ただ、魅力的な返礼品がもらえることや税金の控除を受けられることから、そういう理念とは異なった気持ちでの寄附が多いのが現実です。
そのため、制度の運用についてはいろいろと議論があります。
ふるさと納税をこれからも続けていくためにも、寄附された税金を受け取った自治体は使い道については明確にしなければいけません。
では、各地方の自治体では、何に使っているのかを見てみましょう。
自治体のふるさと納税資金の使い道
使い道については、各自治体のサイトに掲載されているふるさとの税についてのページであってり、総務省が公開している活用事例で確認できます。
それらを大別すると「教育・子育て」、「まちづくり・スポーツ」、「文化・歴史」、「福祉」、「地域・産業振興」、「観光・交流」、「環境」「安全、復興」などがあります。
教育・子育て
「教育・子育て」というのは、学校で行なう体験学習の支援や本の寄付などこれから大きくなって社会を支える子どもたちが学ぶ機会をつくること、そして夫婦が安心して子供を産んで育てることができるようにと施設の無償化や育児用品の支給などを行っています。
そうした取組みに積極的に取り組むことで、人口減少で悩んでいた地域で子供の数が増えたというところがあります。
まちづくり・スポーツ
「まちづくり・スポーツ」というのは他の場所にはない名所に人が来てもらえるように整備をするなどして街の活性化を行なうこと、そして陸上競技やウィンタースポーツなどを盛り上げ大会などを開催するなどの取り組みをしています。
まちづくりとスポーツによって、他所の地域からも注目が高まれば訪れる人も増えて地域経済も良くなります。
文化・歴史
「文化・歴史」は後継者不足で悩む伝統工芸を次の世代にも残すための支援であったり、古くから続く祭りの保護、神社仏閣に戦国時代の城などの修理などに税金が使われています。
貴重な文化財などはその価値が高いことはわかっていても、修繕費の調達をするのは簡単なことではありません。
それをふるさと納税の力で守ることが出来るのは大いに意義があります。
また、神社仏閣の大規模修繕をするときなどは、古い技術を使える職人が必要です。
機会がなければ廃れていくだけの技術を職人が習得できるという意味でも貴重な使い道といえます。
福祉
「福祉」は治療が難しい病気を抱えている人や障がいがある人達の支援、親がいないなどの理由で施設で育つ子供のための補助などを行なうことです。
国や県からの支援もありますが、それだけでは足りない部分を、寄附された税金を使って支えます。
こういった取り組みによって、どのような環境にある人でも安心して暮らせる世の中に近づけることができます。
地域・産業振興
「地域・産業振興」は、都会に住む若者たちが地方でも仕事ができるようにIT企業を誘致したり、Uターン就職を考えている人のために補助金の支給を行なうといったことで、人と経済を活性化させます。
過疎化が進み衰えていく地方の産業を下支えできれば、地方にビジネスチャンスを見出す若者が続いて定住する可能性がでてきます。
観光・交流
「観光・交流」はかつてその地方で盛んだった炭鉱の跡や廃校などを新たな観光名所として整備したり、地元の人しか知らないような神社仏閣の魅力を伝えて人を集めています。
ある場所が観光名所として有名になれば、普段は人があまり訪れることのない場所に次々と人が訪れます。
それが一時的なことではなく継続的なことになれば、電車やバスなどを増発したり、店舗なども充実するので地域の活性化に繋がります。
環境
「環境」は海、山など自然溢れる場所とそこに生きる動植物を守るための支援をすることです。
たとえば山は人が間伐をしたり、猪や鹿などが増えすぎないように気をつけなければ荒れてしまいます。
それがわかっていても、人とお金がないために、土地の所有者が何もできないケースがたくさんあります。
そこで税金を使って、土地の所有者の負担を軽減していくことで、個人の財産を守るだけでなく地方の環境を守ることができます。
ふるさと納税のおかげで生まれた間伐材を材料とする工芸品というのも販売されており、環境を守ることが新たな収入源にもなっています。
安全・復興
「安全・復興」は消防車や救急車を充実させることで人々が安心して暮らせる社会にすること、そして地震や台風など自然災害の被害にあった地域の復興を助けることが使いみちです。
日本は安全に暮らせる国として知られていますが、それでも地方だと消防救急体制が不十分なところもあります。
そういうときにふるさと納税で集まった税金が利用されています。
復興については被災した人が以前のような暮らしを取り戻せるように経済支援を行ったり、壊れてしまった史跡の復旧などに使います。
熊本城のように全国から寄附が集まっているものについては、寄付をしたことが証明できる品が送られます。
まとめ
自分が収めたふるさと納税がどんな用途に使われているのか?について紹介しました。
過剰な返礼品でお金を集める自治体がニュースになったりしていますが、納税したお金はその地域のために使われているはずです。
返礼品目的で利用する人がほとんどだと思いますが、その税金の使われ方を知っておくと、自治体選びの幅も広がっていきます。
ぜひ有効活用してもらいたい、応援したい自治体にふるさと納税してみてくださいね。